ブロック化パネルヒーター BPH

概要

どの様な面形状(サイズ、平面、3D面)の高温加熱でも簡単、確実、短納期で対応可能です。
従来の弊社製品は点状の加熱や線状の加熱を得意としてきましたが、面状の高温加熱は適切なアドバイスができない場合が多く有りました。なぜなら面状の加熱対象は形状やサイズが様々であり、標準的な既成ヒーターが使えず全て特注対応になった為です。
特注対応は納期が長く、コストも高かった。しかも毎回新規設計、製造になるので設計ミスや不慣れな製作作業による組立ミス等でトラブルを起こし易いものでした。

そこで小面積を高温加熱できる小さな標準品のブロック化パネルヒ-ターを準備しておき、用途に応じてそれを必要数量、適切に配置することで、どの様なご要望の加熱にも迅速に対応可能としました。

準備中 BPH-20 ミラー径Φ20 12v-110w
発売中 BPH-55 ミラー径Φ55 100v-1kw

特長のまとめ

  1. 数kwの小さな物から数千kwの巨大な加熱装置まで、同じヒーターユニットで全て対応できます。
  2. 標準品で全ての用途に対応可能。そのため短納期、低コスト、高信頼性、組込設計が容易。
  3. どのような電源電圧にも対応。超大電力でも200v,400v電源が採用可能です。
  4. ユニット単位で電圧調整が可能なので、細かい温度分布制御も可能。
 /fintech フィンテック

ブロック化パネルヒーター
ユニット Φ55×92mm
100v-1kw/Tc3050K
ユニット質量 約540g

 /fintech フィンテック

点灯状態 95v 照射距離15mm
最高加熱温度 約900℃
冷却水  約0.5L/min.
冷却エアー 約30L/min 0.5kPa

ブロック化パネルヒーター BPH/fintech フィンテック

7個のユニットを平面配置した一例

用途、例

◎.定尺の鉄板(900mm×1800mm×t=1.6mm)を30秒間で500℃にしたい。

計算

鉄板の質量=90cm×180cm×0.16cm×7.9g/cm^3=20477g 熱効率100%での必要電力P0=0.452J/g/K×20477g×500K÷30s=154kw 熱効率を考慮した場合の必要電力P=154kw/0.3=513kw

結論

BPH-55/100v-1kwを512個使用する。16個×32個
  インフラ  電源400v-1300A(要電圧調整、スローアップ) 冷却水260L/min. 冷却エアー16m^3/min.

検討

放熱の影響は無視しているし、安全率(余裕)も見ていないので、目標値に少し達しない可能性有り。  片面配置ではこれ以上のユニットを配置できない。両面から加熱が可能なら、まだまだ余裕が有る。

ユニット単体の図面/fintech フィンテック

選定すべきヒータは必要とされる熱量(電力)よりも十分に(数倍でも)大きめのヒータを選定し、温調器で制御して使われる事をお勧めします。このとき、より良い制御を行うには必要以上の電力が加わらないように出力制限(アズビル温調器の場合はoH-1で設定)をかけてください。

CAD図面(.dwg) ダウンロード

1ユニットのみでの特性


一つのユニットでの配光特性(距離15mm) 

1ユニット配光状態/fintech フィンテック

1ユニット配光状態

7ユニット円形配置の例


7ユニット円形配置タイプ背面、側面/fintech フィンテック

7ユニット円形配置タイプ背面、側面

7ユニット配光状態/fintech フィンテック

7ユニット円形配置タイプ背面、側面

配置の仕方と電力密度

碁盤目配置(正方形頂点配置)千鳥配置(正三角形頂点配置)
 /fintech フィンテック

碁盤目配置(正方形頂点配置)/ 千鳥配置(正三角形頂点配置)

碁盤目配置(正方形頂点配置)千鳥配置(正三角形頂点配置)
 /fintech フィンテック

使用方法

  熱風加熱ヒータSAHD-8シリーズ エアー流量と熱風温度、圧力損失の関係/fintech フィンテック

使用方法

  1. ブロックヒータユニットを必要数量、適切な配置で取り付ける。固定には背面を2本のM4ネジで固定する。ヒーターを適切に配置にするためには適切な取付金具を製作して使用しなくてはならない。平面配置なら平板に取り付けて行けば良いので、簡単である。 
  2. ②冷却水の配管を接続する。ヒーター1本当たり約0.5L/min.の常温水を流す。点灯中に冷却水が停止するとヒーターが焼損するので、必ず厳密なインターロックが必要である。配管はΦ4のウレタンチューブを使用し、全て並列接続にする。多数のヒーターに分岐するには市販のマニホールドを使用するのが便利。
  3. ランプの空冷のための冷却エアーを接続する。適切なマニホールド(塩ビ管で作れば簡単)等を使用して各ヒーターに分配する。接続にはΦ11×Φ7のシリコンゴム管を使用する。エアーはヒーター1個当たり約30L/min.を流す。エアー源は風圧0.5kPa以上のターボブロア等を使用する。このエアーは点灯中に停止しても直ちに焼損する事は無いが、ランプ寿命を著しく縮めるので、これにもインターロックが必要である。
  4. ヒーターに電源を接続する。200v電源であれば2本を直列接続して一組とする。400vであれば4本を直列接続したものを一組とする。三相電源の場合はこれらの接続品をΔ接続にする。つまり一組の数量の3倍が最少数になる。ヒーターの電力制御は基本的には位相制御とする。
    ハロゲンランプは10倍近い突入電流が流れるので、特に大電力の場合にはスロースタート(1~5秒間)にして突入電流を抑える必要が有る。ランプの断線検知が必要であれば電流監視で行う。
  5. 運転中に汚れが付く環境だとヒーターの前面ガラスの清掃メンテに時間がかかる場合も有り、汚れの種類によっては取り除けない。この様な場合はエアーカーテン等で汚れを防ぐ。その前に保護ガラス(ネオセラムN-0など)を設置して、汚れたら交換する。
    このヒーターに使っているハロゲンランプは絶対的ではないが望ましい点灯方向があり、それはフィラメントコイルが水平になる方向となる。これさえ注意すればヒーターの照射方向に制限は全く無くなる。

未配管状態


7ユニット円形配置タイプ正面、側面/fintech フィンテック

碁盤目配置(正方形頂点配置)/ 千鳥配置(正三角形頂点配置)

ユニットの背面/fintech フィンテック