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ブロック ラインヒーター BLH
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ランプ光で線状に集光し超高温までクリーン、高速、高効率で加熱できる光加熱ラインヒーター。
その中でもユニット化した小さなブロックヒータを組み合わせることにより、自由なサイズ、形状のラインヒータを短納期で提供できるようにしたのがBLHタイプのラインヒータです。例えば加熱長が2800mm、電力が60kwといった長大なラインヒータでも簡単に作れます。
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BLH-65/f30/200v-6kw 水冷、空冷両用タイプ 6ランプ6ユニットタイプ
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照射している状態
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1 |
.本製品の概要 |
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線状、帯状に加熱できる光加熱ラインヒーターは工業用加熱分野において多くの実績が有り、長い歴史が有ります。フィンテック社では性能、品質、サイズや電力の対応能力で世界一であり、ほとんどあらゆるご要望にお応えしてきました。
しかし十分には対応できなかった分野も有り、それは特に超ロングサイズ、超大出力の分野とショートサイズでした。1~2mを超えるようなサイズのラインヒーターはランプも特注となり、高価で長い納期が問題になります。また昨今の情勢では照明用ハロゲンランプがLED等に置き換わり、その生産数が激減したため、その影響を受けて特注の大型ハロゲンランプも供給が難しくなっています。
また長い大出力ランプは高い供給電圧が要求され、600vとか1200vの電源が必要になることがよくありました。これは設備的に採用していただく上での高いハードルでした。
また逆に100mm以下といった超小型の線状加熱ヒーターは、これまで採用してきたランプの構造上、製作が困難でした。
この様な問題点に対処するために開発したのがこのブロックラインヒーターBLHタイプです。以下にこの方式のメリットをまとめてみます。
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2 |
.ブロックラインヒーター採用のメリット まとめ |
① |
ブロック化で長大なヒーターでも超小型ヒーターでも自在に製作できる |
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どの様な長大なヒータでも簡単に短納期で製作可能であり、また事前に1~2ブロックのヒータで予備実験による確認が可能なので確実な導入成功を約束できる。また大寸法のものはメッキ設備的に金メッキが出来ない場合が多いが、この方式ならどんな寸法でも金メッキが可能であり、省電力に寄与する。更に直線形状に限らず半円、リング形状のヒータも製作可能。また極めて短いラインヒータもBLHの1ユニットのみを使うことで製作できる。
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② |
長大な大電力ヒータでも供給電圧を低くできる |
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従来の構造では長大なヒータを作ろうとすると供給電圧が高くなってしまい600vとか1200vとかの供給電圧にする必要があった。しかしこのブロックタイプなら数十kw,数百kwのヒータでも100vランプの直並列接続での対応なので電源電圧200vでも400vでも対応できる。
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③ |
長期に渡り交換ランプの安定供給が可能。またランプ交換が容易 |
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フィンテック社で標準的に扱っているランプを採用しているので在庫が常にあり、しかも長期に渡り安定的に供給可能。また大型ハロゲンランプに多用されているソケットGX-9.5を採用しているので、ランプ交換が容易である。
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➃ |
長大ヒータでも輸送しやすく現地組み立ても容易 |
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2~3m以上の長大なヒータになると従来方式ではランプが壊れやすく輸送が大変であった。しかしこの方式ならランプは小さく丈夫なので輸送の問題が無い。また長大なラインヒーター本体もそのままで輸送しなくても、パーツ状態で発送し現地で組み立てる事も容易。従って海外への輸出でも輸送に伴う問題点がなくなる。
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⑤ |
細かいパワ-の分布調節が可能 |
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長いラインヒーターは、中央に比べ端の方が温度が下がるのが一般的だ。これの均熱化対策としてロスが増えるが必要加熱幅以上の長さの発熱長とし、端の方は捨てる方式を採用することが多かった。しかしこのBLH方式なら、端の方だけ出力を上げてフラット化することも可能。
更に大きさの異なるワークが混在して流れるコンベアの場合などは、小さいワークが来たときだけ発光範囲を狭くして無駄な電力消費を抑える事も出来る。
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BLHタイプでは水冷方式に加え、ブロア空冷式も主冷却方式として最初から採用。従来のラインヒータは基本設計が水冷式で、後から空冷方式を追加で採用したものだった。そのため主にファン空冷式となり、ラインヒータの上部に大きなファン冷却機が付く事になった。またこの方式の欠点はラインヒータの近辺の空気をファンでかき回す為にこれが問題になる事も多く、また周囲環境によってはファンが耐える事ができなかった。
そのためBLHでは最初から水冷方式に加えブロア空冷方式も前提に設計した。ブロアがヒーター部とは別置きにできるため大出力のブロアも採用可能となり、大出力ヒーターの空冷式が可能となった。冷却エアーの供給は不燃材料と認定されているΦ50アルミフレキダクトを主に採用している。そして電線類はこの中を通す方式のため、すっきりした構成となり現場での安全性も高い。
アルミフレキダクトの長さは3m以内なら同じ価格で任意の長さが指定可能。
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水冷方式の場合 |
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t=5mmのアルミ側板に左写真のような冷却水出入口を設ける。通常はΦ6ウレタンチューブを使用するが、真空対応の継手を使用する事も可能。
冷却水路は2系統有り、通常は折り返して直列接続で使用する。特に大型ヒーターの場合は並列接続にして大量の冷却水を流せるようにする。側板は上側に長く伸び、これがヒーターの取付板を兼ねる。
水冷式でもランプの空冷が必要になる場合が有る。定格電圧に近い電圧で連続点灯される場合は1kwランプ1個あたり50L/min.のエアーを流さなくてはならない。
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4 |
.ブロックラインヒーターBLHの概略構造と配光、加熱分布特性 |

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上図は1kw×6ランプのBLHタイプで加熱性能を測定したもの。ランプの発光が連続したものではないので、配光ムラ加熱ムラが出るのではないかと心配される事もあるが、BLHは反射鏡の設計で基本的に配光ムラは殆どでない。実際に上記の写真を見ても、測定データを見ても配光ムラ、温度ムラはほとんど無い。
ただ、使用しているランプの発光径が大きいので、通常のラインヒータ(NIL型等)より集光幅が大きくなっている。そのため最高加熱温度は1200℃程度が限界になる。鋭い集光、最高加熱温度などが求められる用途では従来型のラインヒーターの方が良い。
ただし最高加熱温度が低いと言う事と加熱能力はイコールではない。BLHは幅の広い集光なので最高温度は低めだが熱量は大きく、最高加熱温度よりも十分低い領域の加熱ならば加熱能力は良好だ。ただし1200℃を超えるような高温加熱が要求される用途には従来型のラインヒーターの方が適している。
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5 |
.ブロックラインヒータのエアー電気供給方式、およびランプ数とユニット数の関係 |

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上図は1kw×6ランプ×3ユニットのBLHタイプでブロア空冷式の場合のエアーと電気の供給方式を示したものである。
BLHのミラーユニッは「ランプ2個/1ユニット」型と「ランプ1個/1ユニット」型の2種類を用意している。本来は「ランプ1個/1ユニット」が良いであろうが、コストを考えると「ランプ2個/1ユニット」が良いかもしれず、方針は決定していない。型名はユニットあたりのランプ数とユニット数を示す記号を使う。例えば上図の場合はランプ2個ユニットが3個なのでL2N3と表記する→BLH-65/f30/L2N3/200v-6kw/AC 最後のACはブロア空冷方式を表す。水冷式の場合は/WCになる。
エアーはブロアからアルミフレキダクトを通して供給される。電気はこのアルミフレキダクトの中を通り、ブロアの直前で外部に引き出される。
冷却エアーの排気は、上記の排気口からそのまま放出させてもよいし、それが不都合ならばアルミフレキダクトで排気を離れた所に運んで放出させてもよい。
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6 |
.ブロックラインヒーターBLHの図面ダウンロード |
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ブロックラインヒータBLH型は、前記した様に空冷か水冷のいずれかの冷却方式と組み合わせる必要があります。 以下はそのためのデータ資料です。
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AC |
ブロア空冷方式 |
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ブロア空冷方式は冷却水を使用しないので設備的、環境的な制約を受けにくく、あらゆる用途に使いやすい冷却方式です。
この方式は使用するブロアにより使用できるランプ電力が異なります。冷却エアーを全く流さない場合は1kwランプ使用の場合は43%電圧(25%電力)までです。以下は6ランプ3ユニット型の200v-6kwタイプを例にとり、ブロアと使用可能条件を解説します。
ブロアA(ランプ1kwあたり670L/min.)を使用した場合は100%電圧(100%電力)まで連続使用可能です。
ブロアB(ランプ1kwあたり380L/min.)を使用した場合は78%電圧(65%電力)まで連続使用可能です。
ON-OFF使用の場合、平均電力が下記の電力範囲に入っていれば良いです。
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空冷無し |
ブロアA |
ブロアB |
使用可能範囲
1kwランプ×6タイプ |
0~43%電圧
25%電力 |
0~100%電圧
100%電力 |
0~78%電圧
65%電力 |
ランプ1kw当た
りの風量 |
0L/min. |
670L/min. |
380L/min. |
ブロアA
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淀川電機 高圧ターボ型DHシリーズ DH2SL 60Hzで消費電力190w、出力125w
最大風量4m^3/min. 最大静圧1.53kPa 10kg 騒音76dB 出口Φ55
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ブロアB
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淀川電機 小型プレート型 Yシリーズ Y2 60Hzで消費電力145w、 出力45w
最大風量2.3m^3/min. 最大静圧0.52kPa 3.9kg 出口Φ55
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実測データ (生) |
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ブロアA 1.35kPa エアー出口75℃ 気温30℃ 220℃-205℃-185℃-165℃-145℃-135℃
側板180℃-120℃
ブロアB 0.46kPa 155v-3.9kw ミラー最高温度220℃
エアー無し 85v-1500w ミラー最高温度210℃
ブロックラインヒータの開発過程でのデータ等は右を参照→ブロックラインヒータの開発 |
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冷却水が使える環境ならば、水冷方式が最も強力な冷却方式です。静かで環境的にも最善です。また真空中でのご使用の場合は必ず水冷式となります。
水源は、使用頻度が少なければ水道水の使い捨てでも可能です。しかしライン組込などで長期連続的に使用される場合はチラーの使用をお勧めします。ただし運転中に水が止まると最悪BLHが焼損しますので、必ずインターロックをかけてください。
冷却水量はヒーターの電力1kwあたり0.5L/min.を流してください。冷却水路は2系統あります。通常はこれを折り返し直列接続して使用します。しかしラインヒーターの電力が10kwを超える様な場合は、2系統を並列接続して大量の冷却水を流せる様にします。
ただしランプ自体の冷却は水冷が効きません。そのため別途空冷も必要になります。このエアー量はヒーター1kw当たり約50L/min.です。ただしランプ平均電力が70%以下(電圧で約80%)であればランプ冷却エアーは不要です。また平均電力が定格電力の25%以下であれば、多くの場合で本体(ミラー)の冷却も不要になります。
BLHでは冷却水路に使う材料として水に対する耐食性の良好な銅、又は真鍮を採用していますので、長期にわたりトラブルの発生が有りません。ただし冷却水に汚泥などが含まれていると詰まる事もあり得ますので、水質に問題が有る場合にはフィルターのご使用をお勧めします。
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.非常に短いラインヒータの例 1ランプ1ユニットタイプで空冷式のBLHタイプ |

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上図は1kw×1ランプユニット型のBLHタイプでブロア空冷式の例である。2ランプユニット型でも同様の事ができる。 短いラインヒータが求められる場合は、これで対応できる。電源電圧を200vに対応させる為には2ランプユニット型にする必要が有る。
1ランプ型の場合は必要エアー量が少なめなので、比較的細いΦ33シリコンホースを採用した。しかしこれも太くて良ければΦ50アルミフレキダクトの方が安全だろう。
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