光加熱 空洞ヒーター 複雑パターンの加熱 ハロゲンランプ加熱 空洞放射利用  

         Fintech.co.jp                研究室へ

                                              特許申請中   HP情報公開2013年12月12日

    空洞ヒーターの研究                                   

  空洞放射を利用して、複雑な加熱パターンを高効率で光加熱する方法 
   
 
   


空洞ヒーター方式とは

空洞ヒータとは内面が高反射率の空洞内にランプを配置し、その空洞に比較的小さな窓を配置したヒータ。窓の形状,数は問わない。この小さな窓から放射される光を加熱に利用する。

空洞の内面積(窓を含む)をSb,窓の総面積をSwとすると、

空洞内の一点から発した光が窓から直接出る確率≒Sw/Sb 

例えばSbが10でSwが1ならば空洞内の任意の点から発した光のうち、窓から直接出てくるのは約1/10となる。残りの約9/10は内面で反射される。ここでランプから出た光が空洞内で何回反射してから窓から出て行くかの平均回数nの概算を試みる。前記例で任意の点から発した光束のうち、9/10は反射されるのだから、直接出る光との比は9倍。これより下式を作った。これは厳密な解ではないだろうが、大きな間違いでもないだろう。

平均内部反射回数 n≒(Sb−Sw)/Sw 

nが大きいほど、内部で何度も反射されるため光密度が平均化され、窓がどこにあっても、ほぼ放射される光密度は等しくなる。たぶんn>20程度でかなり均一になる(数学的検証はしていない)。つまり空洞ヒータは内部空洞面積が窓総面積の20倍以上で30倍程度に設計する。

ここで空洞内の反射率をRとすれば光の利用効率E=(R)^n 

内面での平均反射回数nが30回の空洞ヒータを想定すれば

反射率R=0.89の場合(アルミ相当)  E=(0.89)^30=0.03  →熱効率 3%
反射率R=0.98の場合(金メッキ相当) E=(0.98)^30=0.55 →熱効率 55%

つまり空洞ヒータ方式の場合、内面の反射率が熱効率に大きく影響する。空洞体内面でロスになったエネルギーは熱になる。この熱を効果的に放熱する手段も考えなくてはならない。同時に空洞体の温度が加熱結果に影響を与えるので、この空洞体の温度を一定にする事も考慮しないと安定した加熱ができない可能性がある。

反射率のよい材料は金メッキ(R≒0.98)や酸化マグネシウム等の白色塗料(R≒0.98)。

アルミの研磨面はR≒0.89程度なので空洞ヒータには適さない。この場合はランプからの直接光の割合が高く、空洞内で反射を繰り返した光の割合が少なくなる。そのためランプに近い窓ほど光放射が強くなる。











空洞ヒータの窓の構造

窓が細長い溝で複雑な形状をしており、内部に島ができるようなパターンの場合、その島を支える構造に問題がでてくる。島の位置を精度よく保つのは容易ではない。特に窓が平面だけでなく3次元的な構造をもつ場合は特に島の扱いが問題になる。

この空洞ヒータ方式を複雑な形状を加熱できる汎用技術にするためには、窓の構造を作りやすい構造にしなくてはならない。このためには窓は丸穴又は角穴が連なった構造が望ましい。以下でこの構造について提案する。

 
                連続した丸穴で溝状の窓と同等の働きをする溝構造の一例




穴窓は作りやすさから言えば丸穴、面積利用率の高さから言えば角穴になる。しかし丸穴でも必要な面積が確保できる場合が多いと思われるので、ここでは丸穴で検討する。

この構造の場合、加熱分布の微調節は溝側面に光吸収塗料を塗り、光量を減衰させる事などでも行えるが、窓の穴径を調節することでも行える。穴径調節の方が再現性が確実である。溝加工や穴加工は機械加工なので、レーザー加工による溝に比べて精度がよいし、複雑な形状や3次元構造を持ったワークにも対応できる。ただしコストは高い。

L寸(窓穴・ワーク距離)が窓穴ピッチを適切に設計すれば、窓が穴の連続体である事による加熱ムラは無視できるようになる。この設計手法は重要(PAT出願中)




空洞ヒータを光源としたプロジェクター方式の加熱方式

空洞ヒータは加熱対象物を窓から数mm以内の距離に接近させなくてはならない。しかし接近させるのが困難な場合もある。そのような場合には下図の様なプロジェクター方式が考えられる。レンズは大口径でF値(f/D)の小さなものが要求される。そのため、現実的にはプラスチックのフレネルレンズになるだろう。レンズ位置では光パワーの密度が低いので、プラスチックレンズでも実用可能。ただし熱による変形は避けられないので、レンズの補強は必要。








        ※特許出願中2件。出願していない内容,情報については、このHPで公知にしております。このHPの内容と公開日2013年12月12日については公証人により証明されます。



        Fintech.co.jp