基礎実験による確認@ ; センサー位置による測定温度の違い
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実験方法
SAHD200v-440w/10PS型熱風ヒータで熱電対位置をスライドさせて変更できる特別仕様のヒータを作り、下図のA,B,C,D位置での特性を測定し比較した。
A位置が従来仕様であり、CまたはD位置が今回推奨する/+SC仕様となる。実際の/+SC仕様はCとDの中間となる。
温度測定はヒーターの構造上バラツキが大きいので、正確なデータを得るには10本程度のサンプルは必要になる。しかしこの実験の様に同じヒーターでセンサー位置を可変にしたサンプルであれば試料が1本でもA,B,C,Dの差は正確に求める事ができる。
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下図は色々なエアー流量で供給電圧に対する熱風温度測定値の差を求めたもの。

結果は上図の様になった。
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結果のまとめ
エアー流量が大きい領域では従来位置/+Sに比べ/+SC仕様は測定温度は低くなる。よく使われる領域(24〜6L/min.)ではどの位置でも大きな差は無い。エアー流量が少なくなると従来仕様よりも/+SC仕様の方が測定温度が高くなる。
では従来仕様と/+SC仕様のどちらが実際の熱風温度(平均値)に近いかを検証する。空気の比熱等から計算すると各エアー流量に対する熱風温度は下表「計算熱風温度」が妥当と考えられる。
熱風温度≒50×電力÷流量L/min.×熱効率+室温 ヒーター電力=440w×(実電圧/200v)^2
エアー流量L/min. |
熱効率予想値 |
計算熱風温度 |
A位置 |
B位置 |
C位置 |
D位置 |
判定電圧とそのときのヒータ電力 |
45 |
0.9 |
465 |
565 |
535 |
505 |
485 |
200v-440w |
24 |
0.85 |
655 |
710 |
690 |
680 |
660 |
180v-356w |
12 |
0.8 |
745 |
760 |
750 |
740 |
730 |
140v-216w |
6 |
0.7 |
667 |
670 |
690 |
710 |
690 |
100v-110w |
3 |
0.6 |
725 |
650 |
690 |
740 |
780 |
80v-70w |
※濃い青が最も予想値に近い測定値となる
評価
従来仕様/+S(A位置)は計算から予想される値に必ずしも近くない。特に大流量時と小流量時に予想値からのズレが大きくなる。最も妥当な感じがするのがCからDの間となる。
結論
温度測定値の妥当性からみても従来仕様/+Sはベストとは言えない。CとDの中間あたりが妥当と思われ、現時点ではセラミック先端から7.5mmが妥当と結論した。
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