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         高温用熱風ヒータについて

           銀ロー付けのためのスペシャルヒータ





銀ロー付けに必要な約900℃の熱風を安定的に発生できる長寿命の熱風ヒータ。


一般品との構造的な相違は加熱管にセラミックを使い、発熱体の表面負荷を1/3程度まで下げる事で熱交換を良好にし、ノズルに外気の巻込の少ない特殊ノズルを採用した。

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下の写真はこのコンセプトによる100v-350wヒータである。金属ケースは外径φ19,長さ約185mmでノズル部は内径φ5、サブノズルはφ1.0が多数となっている。

このヒータに10L/min.のエアーを流し、ヒータに300wを消費させると約900℃の熱風が得られる。この時の発熱体温度は約1100℃であり、数千時間の寿命が期待できる。

熱風温度と発熱体温度の差は200℃しかない。通常の熱風ヒータは約300℃なので、熱交換が良好な事がわかる。

このヒータには他の熱風ヒータ同様に熱風温度センサー(K熱電対)を内蔵させることができる。しかしこの温度ではK熱電対は消耗が激しいので、比較的短時間で切れるだろう。

このセンサーは初期条件設定用に使い、設定後は使わずに運転するのであればこのままでもよい。

しかしずっと運転中の温度モニターをしたり、又は温調器で熱風温度制御したりする場合にはこのセンサーは使わず、外部からセンサーを熱風出口付近に挿入するか、又は内蔵熱電対の材質をR(白金系)に替えるべきであろう。Rに変える事はコスト面の問題があるが、製作は容易に行える。

 

メインノズルの内径はφ5。その周囲を取り囲む多数のサブノズルはφ1.0。

サブノズルから吹き出す低速の高温エアーがメインノズルからの主流束を包み込む事により、冷たい外気が主流束に混ざり込むのを防ぐ。

そのため、主流束は外気で冷却されにくく、高温のまま遠方まで到達する。

サブノズルが無い場合はノズル内にまで外気が逆流し熱風を冷却してしまう。従来品がノズル内で大きな温度分布が計測されていたのは、この局部逆流が起こっているためであった。

 銀ロー付けスペシャルヒータ

 100v-300w型 金属ケース φ19×185mm

 10L/min. 内蔵温度センサー 約950℃

熱風温度はノズル内では900℃以上に達する。この条件では作業温度650℃の銀ローは容易に溶ける。

一般的な銀ローである作業温度750℃クラスのものは、かろうじて溶ける程度。従ってこのヒータで銀ロー付けする場合には作業温度650℃のペースト状銀ローが望ましい。

電熱線の表面負荷が低いヒータなので、電源ONからの熱風温度立ち上がりは遅い。10分間程度はかかる。温調器を使い、昇温過程で過電圧が加わるのを許せば早い立ち上がりとなるが、若干寿命を縮めるかもしれない。







 少し大きい100v-600w型銀ロー付けスペシャルヒータ

 金属ケースφ22×300mm


 設定条件  エアー流量::22L/min.     98v-562w

 内蔵温度センサー温度 970℃ 発熱体温度 1130℃

 ノズルからの距離10mmでの最高熱風温度は約900℃

少しハイパワーの銀ロー付けスペシャルヒータ 100v-600wタイプ。

メインノズルは約φ8で、それを囲むサブノズルはφ1.5。メインノズルは特別には存在せず、周囲を包む多数のサブノズルを構成するセラミック管の空隙で構成される。

このヒータはサイズが大きいので、内蔵K熱電対にはφ1.6を使用できた。そのため、内蔵熱電対の寿命もかなり長いと予想される。


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左のビデオは銀ロー付けしているところである。銀ローは作業温度650℃のペーストタイプである。母材にはカッターの刃を使った。

使用したヒータは100v-300wタイプ。小さな物体への銀ロー付けは650℃のペースト銀ローならば、十分にこのヒータで達成できる。


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このビデオは金網を加熱して見せている。熱風の当たっているところが赤熱する。はっきりとした赤熱は800℃以上であり、淡い赤熱は約700℃である。(100v-300wタイプを使用)

金網の赤熱は、ノズルからかなり離しても見られる。かなり熱気流が整っており、50mm以上の遠方まで800℃程度の熱風が到達している事がわかる。


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100v-600wタイプを使い、上記と同様に金網を加熱してみたもの。





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